営業戦略の立て方や進め方をわかりやすく解説

営業戦略とは、営業活動全体の中長期的な方針のことです。中長期的なゴール(KGI)を設定し、そこから逆算して中間目標(KPI)を決めていくことで、戦略に沿った営業活動を展開できます。ただ漫然と営業戦略を決めるだけでは、売上アップや市場シェアの拡大などの結果につながりません。
この記事では、営業戦略を立てるときの4つのステップや、戦略立案に役立つフレームワーク、SFAシステムをはじめとしたデジタルツールの重要性を解説します。
営業戦略の立て方
営業戦略は以下の4つのステップに沿って立案しましょう。
1. 市場や競合他社を分析する
2. 自社の営業活動を数値化する
3. 自社の営業課題を抽出する
4. コアコンピタンスを理解する
各ステップの概要やポイントを詳しく見ていきます。
1. 市場や競合他社を分析する
まずは営業戦略の土台づくりのため、市場や競合他社に関するデータを集めましょう。
● 商品やサービスの市場価格
● 自社製品に対する顧客満足度
● ターゲットとしている市場の顧客ニーズ
● 競合他社の営業戦略
市場調査の方法として、記入式のアンケート、Webアンケート、電話調査、インタビューなどがあります。市場調査や競合他社の分析を通じ、自社の立ち位置を知ることが大切です。
2. 自社の営業活動を数値化する
次に自社の営業活動に関するデータを収集します。コール数、アポイント数、受注件数など、営業プロセスを細分化し、営業活動の現状を一つずつ数値化していきます。これにより、「新規アポ率が低い」「受注件数が少ない」など、自社の営業活動の課題を知ることができます。
3. 自社の営業課題を抽出する
市場調査や自社の営業活動の現状に関するデータを把握したうえで、自社の営業課題を抽出しましょう。営業課題の例は以下の通りです。「営業課題を解決するのにどんな戦略が必要か」という視点から、営業戦略を立案することが大切です。
● アポイントから商談までのリードタイムが長く、失注につながるケースが多い
● 営業社員の成績の偏りが大きく、チームとしての営業活動ができていない
● 情報共有の仕組みがなく、顧客に対するアクションが一歩遅い
● 商談管理に漏れがあり、機会損失が発生しやすい
4. コアコンピタンスを理解する
コアコンピタンス(Core competence)とは、「組織としての中核的な能力」を指す言葉です。[注1]営業戦略を立てるときは、「競合他社には真似できない自社の強みはあるか」「市場における競争優位性を確保できる要素はあるか」など、自社のコアコンピタンスを理解しましょう。自社の強みを活かす営業戦略を立てることで、売上アップや市場シェアの拡大につながります。
[注1] 経済産業省:人的資本経営の実現に向けた検討会 報告[pdf]
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/pdf/report2.0_cases.pdf
営業戦略の分析方法
営業戦略を立てるときに知っておきたいのが、3C分析やPEST分析、SWOT分析などのフレームワークです。特に市場や競合他社、自社の強み・弱みを分析する際にフレームワークが役立ちます。営業戦略の分析方法を3つ紹介します。
3C分析
3C分析は、市場・顧客(Customer)、自社(Company)、競合他社(Competitor)の3つの頭文字をとったフレームワークです。営業戦略を立てる前に、3つのCを洗い出すことで、自社が置かれた立ち位置をおおまかに理解できます。
PEST分析
PEST分析は、自社を取り巻くビジネス環境を政治的要因(Politics)、経済的要因(Economy)、社会的要因(Society)、技術的要因(Technology)の4つの要素で分析するフレームワークです。
例 | |
政治的要因(Politics) | 法改正、規制緩和、税制改革、外交関係の変化、最高裁の判例など |
経済的要因(Economy) | インフレ・デフレ、金融緩和、景気動向、失業率、為替の変動など |
社会的要因(Society) | 人口動態、世論、環境問題、消費行動の変化など |
技術的要因(Technology) | AI、IoT、ロボティクス、ブロックチェーンなどの新技術の登場 |
このように自社の立ち位置をマクロな視点から分析できるのがPEST分析の強みです
SWOT分析
SWOT分析も営業戦略を立てるときに役立つフレームワークで、自社の現状を「外部環境」「内部環境」の2つの視点で分析します。
内部環境 | 強み(Strength) | 自社の商品やサービス、ブランドなどの強み |
弱み(Weakness) | 競合他社と比較したときの自社の弱み | |
外部環境 | 機会(Opportunity) | 自社にとって有利に働く市場環境の変化 |
脅威(Treat) | 自社にとって不利に働く市場環境の変化 |
営業戦略をうまく進めるためのポイント
営業戦略をうまく進めるためのポイントは2つあります。
1. SFAシステムを活用する
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を支援するためのデジタルツールです。SFAには、営業活動に関わるデータを一元管理する「営業ポータル」や、営業社員ごとの行動・実績を数値化する機能があります。そのため、営業戦略をうまく進めたい場合はSFAシステムを導入すると便利です。
2. 定期的に見直す
はじめから完璧な営業戦略はありません。市場環境や競合他社の動向は常に変化しています。営業戦略は定期的に見直し、ブラッシュアップしていくことが大切です。経営層の意見だけでなく、現場の意見もヒアリングしながら営業戦略を修正しましょう。
【まとめ】
営業戦略の立て方や進め方を知り、SFAシステムを活用しよう
営業戦略を立てるときは、市場調査、営業活動の数値化、営業課題の抽出、コアコンピタンスの理解の4つのステップを意識するとスムーズです。3C分析やPEST分析、SWOT分析などのフレームワークも使ってみましょう。また、営業戦略を進めるのに役立つのが、SFAシステムをはじめとしたデジタルツールです。特にSFAシステムには、営業戦略を立てるときに必要なデータの一元管理や、営業活動の分析・数値化に役立つ機能がそろっています。営業戦略の立て方や進め方を知り、SFAシステムを有効活用しましょう。
#営業 #戦略